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思想が世の中を変えるんじゃ

どうも村田です

今日は幹部会のため予約投稿だ

イデオロギーという話だが、

グローバル化、市場原理主義、

自由貿易、自由主義的経済こそが

素晴らしいのだという考え方の

「萌芽」を世に示したのは

アダム・スミスだろう

もちろん、アダム・スミスは

『道徳情操論』を出版するなど、

ただたんに自由化すればよい

などとは一言も言ってないし

人々が道徳的な感情でつながり

あう社会を作ることこそが

理想だと考えていたのだ

しかし、「自由」には、

社会全体の善を拡大する

素晴らしい側面がある、

ということを理論的に

主張したことも事実だ

今日の新自由主義者たち、

自由貿易主義者たちは、そんな

アダム・スミスの議論のごく

一部だけを針小棒大に拡大し、

それ以外の道徳論のすべてを

ゴミ箱に捨てた

その上で

「アダム・スミスの正当な

継承者は俺たちなのだ」なぞと

嘯きながら、何でもかんでも

自由化することがいいことだと

主張し始めたのだ

そして、そんなイデオロギーに

反対したのがケインズなのだ

繰り返すがグローバル化、

市場原理主義は結局、

第二次世界大戦をも

引き起こしたのだ

そこで戦後は、アダム・スミス的な

単純な自由化イデオロギーは

よくないという共有認識が世界的に

形成されたのだ

その代わりに〝ケインズ派〟や

その流れを汲む経済学者たちが

様々に努力を重ねたことで、

グローバル化が過剰に加速しない

ような制度が設計されたのだ

同時に、各国もまた市場原理主義を

極力、弱める政策を取るように

なっていったのだ

具体的には、ケインズは戦後の

貿易秩序の根幹であった

「ブレトン・ウッズ体制」

の構築にあたって

「資本移動の自由は抑制され

なければならない」と強く主張

資本移動の自由が規制される形で、

ブレトン・ウッズ体制が構築

されるようになったのだ

その結果、世界各国は安定的な

産業育成を図ることが可能となり、

1950年代から1970年代

初頭にかけ、各国は着実に経済成長

できるようになったのだ

わが国日本もその例外ではなく、

高度経済成長と呼ばれる時代を

迎えることになったのだ

つまりケインズの経済学は

資本主義のよくないところを、

マルクスとは違う形でうまく

修正するものだったのだ

それは1国の経済だけでなく、

貿易も加味した世界経済秩序の

形成をも見据えたものとなって

いたのだ

ケインズが、市場原理主義絶対の

時代に、その逆の考え方を打ち出し、

広めることができたのは、

「徹底した誠実な議論」を積み重ねた

からだと言われているのだ

彼は論敵と様々なディベートを繰り返し、

相手の理屈を論破し、勝利していった

もちろん論破されるには一定の

誠実性が必要であり、何をいっても

屁理屈をこね回し論破されない輩が

いるのはどの時代でも同じだろう

そうしたディベートを見た人々は、

ケインズの理論をしっかりと理解し、

共感していったわけなのだ

そして、日本が高度成長期を

迎えることができたのも、そして、

バブル経済崩壊直後、政府支出拡大

によって軟着陸できそうなところまで

持っていけたのも

当時の経済企画庁のエコノミスト

たちが皆、ケインズ経済学をきちんと

理解していたからなのだ

1人の人が、間違った思想を論破し、

その後、その考え方が広まり、様々な

国を救うことになる

これこそ、思想が世界を変える

一例だと言うことができるのだ

今日はこのくらいにしといたる

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