どうも村田です
デフレ化政策である
構造改革により、
日本のデフレが深刻化
すると、経済成長率は
低迷するのだ。
当然の結果として、
潜在成長率もまた、
下がってしまうのだ。
すると、またもや、
「日本の潜在成長率を高める
ために、構造改革が必要だ」
と、
実際には
(GDP成長率を低迷させる
ことにより)潜在成長率を
引き下げる構造改革が
推進されるのだ。
構造改革により日本の
デフレ化が進むと、
経済成長率が低迷。
潜在成長率が下がり、と、
悪夢のような循環を
引き起こしているのが
「平均概念の潜在GDP」
であり「潜在成長率」なのだ。
日本の潜在GDPが
「間違った指標である」
と断言できる証拠は、
インフレギャップが
「計算」されることなのだ。
内閣府が発表している
「需給ギャップ」
(労働や設備などの潜在的な
経済の供給力と、個人消費や
設備投資などの支出を積み上げる
総需要との差を表す)
のグラフで
マイナス方向が
「デフレギャップ」で、
プラス方向が
「インフレギャップ」
になるのだ。
落ち着いて考えて
みてほしいのだ。
デフレギャップはともかく、
インフレギャップ
(供給能力の不足)の
「計算」は不可能であるのだ。
何しろ、インフレギャップを
計算する際の潜在GDPは
「供給能力」なのだ。
インフレギャップが計算
されてしまうということは、
「供給能力を上回る財や
サービスが需要(購入)された」
という話になってしまうのだ。
この世に、生産されていない
財やサービスを買える者は
いないのだ。
それにもかかわらず、
リーマンショック前、
あるいは2018年前後に
需給ギャップがプラス化
しているのだ。
つまりは、
インフレギャップの計算が
されてしまっているのだ。
なぜ、インフレギャップの
計算が可能なのか。理由は
単に、日本の潜在GDPが
「平均概念」であり、
「全ての労働者や設備が
100%稼働した際に生産
可能なGDP」であるのだ
「最大概念の潜在GDP」
ではないためなのだ。
内閣府の需給ギャップの
値がプラス
(インフレギャップ)
で出ている時点で、
日本の潜在GDPは
「日本の生産能力がフル稼働
した際に生産されるGDP」
ではないことが証明されるのだ。
さらには、平均概念の
潜在GDPでは、
「デフレ(総需要の不足)で
あったとしても、
デフレギャップにならない」
ことになってしまい、
デフレ対策(財政出動)を
しない「言い訳」が成立して
しまうという問題もあるのだ。
実際、テレビ愛知の討論番組で、
竹中氏が討論した際に、竹中氏は、
「今はもうデフレではない
のですよ。何しろ、デフレ
ギャップがないのですから」
と、発言したのだ。
それに対し、
「竹中さん。それは、
平均概念の潜在GDPを
使ったケースですよね。
最大概念の潜在GDPを使えば、
まだまだデフレギャップです」
と、反論したところ、
竹中氏は沈黙したのだ。
まさか、最大概念の潜在GDPと、
平均概念の潜在GDPの違いを
理解しているとは思わなかった
のだろう。
内閣府が潜在GDPの定義を
「最大概念」から「平均概念」
に変えた責任者もまた、
竹中平蔵なのだ。
具体的には、
「平成13年版経済財政白書
(2001年12月)」が
始まりなのだ。
経済財政白書は、当時の
経済財政政策担当大臣(竹中氏)
の責任監修の下で、公表された
のだ。
最大概念の潜在GDPから、
平均概念への定義の変更が、
責任者である竹中氏の意向に
沿うものだったことは
明らかなのだ。
平成13年版経済財政白書では、
一応、
「なお、GDPギャップの
推計値の解釈は、GDP
ギャップの定義や前提条件の
違いがあるので注意が必要である。
この推計では、潜在GDPを
計算する際の稼働率について、
過去の平均的な水準に近い概念
を用いているが、他の推計では、
過去の最大の稼働率を用いて、
経済がその時点で達成できる
最大限のGDPを推計し、
それを潜在GDPと考え、
ここでの推計より大きな
GDPギャップを計測する
ものもある」と、
最大概念の潜在GDPについて
も言及されているが、それ以降は
平均概念一色になってしまったのだ
最大概念の潜在GDPを維持
していた日銀も、その後は内閣府に
追随することになるのだ。
2018年に安倍総理(当時)
と会食した際に、総理は、
「すでにデフレギャップは
ないと報告を受けている」
と発言したのだ。
それに対し、
「それは潜在GDPを平均概念
で見た場合です。最大概念で
見れば、未だデフレギャップです」
と申し上げたところ、
よく理解できないご様子だった
(別に反論はなかったが)。
それはそうだろう。そもそも
「GDP」の統計的定義すら
理解していない政治家が
ほとんどんなのだ。
ましてや、潜在GDPだ、
デフレギャップだ、
潜在成長率だといった
指標について、理解している
国民はほとんどいないのだ。
とはいえ、潜在GDPや
潜在成長率の「定義」が
「平均概念」になっている
ことで、
我が国は必然的に緊縮財政や
構造改革が進む構造になって
いるのだ。
そして、デフレ期の
「デフレ化政策」である
緊縮財政、構造改革により
デフレが深刻化し、
GDPが成長しなくなると、
当然ながら「潜在成長率」
も落ち込むのだ。
すると、
「潜在成長率が下がっている。
財政拡大は潜在成長率向上に
役立たない。緊縮財政が必要だ。
また、構造改革により潜在
成長率を高める必要がある」
と、さらなるデフレ化政策が
始まるのだ。
いい加減に、この狂った
悪循環から脱しなければ
ならないのだ
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる