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指摘するんじゃ

どうも村田です

今日からは、

アテネ・フランセ

講師で

武蔵大学非常勤講師、

日本に30年以上在住し、

日本専門家として

認められているという

クリスチャン・ケスレー

というフランス人が

フランス語で書いた

本の日本語訳

『カミカゼの最後―

後世に何を残そうと

したのか―』

の内容を紹介し、

論評いたしたいのだ。

本の表の帯には

「在日フランス人

歴史学者がみた武士道」

「特攻隊を、

プロパガンダの犠牲者か

狂信者かのどちらかで

あると決めつけるような

単純な二元論的判断

には注意が必要である」

とあるのだ。

これを見て、読者なら、

特攻隊を好意的に研究

した

フランス人の興味深い

見解が詰まった本なの

だろうと思うことだろう。

出版の担当者も仲介者

からの打診があった時

はそう思っていたようで、

私への依頼の時も、

そのような説明なのだ。

それで解説をお引き受け

したのだが、実際に読んで

見ると、思いもかけない

内容だったのだ。

昨年は戦後80年でしたが、

「石破首相が余計な談話

を出さなければいいな」

と思っていたくらいで、

自分として、何かを考え

たり、

書いたりしなければ

ならないとは考えて

いなかったのだ。

ところが、江藤淳の

『忘れたことと

忘れさせられたこと』

の解説をして、敗戦と

占領に向き合うことに

なり

今度はこれまであまり

深く考えてこなかった

「特攻隊」なのだ。

それも、戦後の

「閉ざされた言語空間」

に押し込められた

「特攻隊論」

と向き合わされることに

なってしまったのだ。

節目にあたって、何か

自分の中で直面すべき

ことがあったのかも

しれないのだ。

それは恐らく、

江藤淳から引き継いだ

課題で、

「閉ざされた言語空間」

に出会った場合、それを

どうやって突破するのか

ということだと思うのだ。

その課題を、

「特攻隊」という

テーマで解いて見よう

というのが、主題と

なるのだ。

それでは始めていくのだ。

「4 手紙の紹介」と

「5 特攻隊員最期の言葉」

が全体の65%を占め、

特攻隊員の手紙や遺書を

読んで、読者が自分で考え、

感じてほしいというのが、

本書の趣旨のように見え

るのだ。

ところが、実際の構成は、

「序論」において、

著者が結論をまず述べ、

「1」から「3」章で、

その結論を詳述して、

著者が設定したパラダイム

枠組みの中に読者を

引き入れた上で、

著者の視点でしか、

手紙も遺書も読めない

ようにしておいてから、

「4」章と「5」章で、

特攻隊員の手紙や遺書

を読ませるという構成

になっているのだ。

それでは、著者が考える

特攻作戦、特攻隊員の

真意とは何か。

「序章」から見て行くのだ

本書では、序論が

すでに結論になって

いるのだ。

その結論を要約すると

以下のようなのだ。

1. 現在の日本には、

中国や北朝鮮の脅威に

直面する中で

「ナショナル・

アイデンティティ」

を取り戻そうとして、

国のために命を捧げた

神風特攻隊の記憶を

英雄像として前面に

打ち出そうとする

動きがある。

2. 特攻作戦は、

その開始時点で、日本の

敗北はすでに決まっており、

勝利のための作戦ではなく、

敗北を長引かせ、兵士の

死に方の模範を示すため

のものだった。

3. 敗北と戦死を美化し、

国民を「総力戦」に

動因するために

「ニュース映画」

と特攻隊員の手紙が

利用された。

4. 特攻隊員の手紙は

「あらかじめ選別と

厳格な検閲」を受け、

自発的で無制約な感情の

吐露の場とはなり得ず、

何ら制約から解き

放たれたものでは

なかった。

5. 「特攻」は

「上層部からの命令」

であり、

隊員はそれに賛同

しようがしまいが、

彼らは自分自身と、

そして家族と和合した

うえで旅立たねばならない。

また、自らの死を冷静かつ

正気で受け入れるという

日本の武士の理想に到達

するために、

あらゆる努力を払わな

ければならなかった。

ただし、

検閲を免れて本心を

吐露できた手紙も

幾つか残っている。

この見解の問題点は

いくつもあり、それに

ついてはおいおい指摘

していくが、

何といっても大きいのは、

当時の状況に身をおいて、

そこで生きていた人々の

身になって考えようとする

姿勢が欠けていることなのだ。

その具体例を

「序論」の中で一つ

指摘するのだ。

続きは次回だ

今日はこのくらいにしといたる

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