どうも村田です

「天皇が徳、
国民の先祖が忠義を
尽くしたことによって
素晴らしい歴史が
生まれてきたのです。
これが日本の国柄です」
と言っているわけなのだ。
これは教育勅語でも、
「朕(ちん)
惟フニ(おもうに)
我カ(わが)
皇祖皇宗國ヲ(くにを)
肇ムルコト
(はじむること)
宏遠ニ(こうえんに)
德ヲ樹ツルコト
(たつること)
深厚ナリ
我カ(わが)
臣民克ク(よく)
忠ニ克ク(よく)
孝ニ億兆心ヲ一ニシテ
(いつにして)
世世厥ノ(その)
美ヲ濟セルハ(なせるは)
此レ(これ)
我カ(わが)
國體(こくたい)ノ
精華ニシテ敎育ノ
淵源(えんげん)
亦(また)實ニ(じつに)
此ニ(ここに)存ス
(ぞんす)」と、
同じことを言っている
のだ。
天皇と国民がずっと
徳高く協力し合ってきた
ということを前提に、
「それが近代において
どう表現できるか?」
ということで憲法が
できたのだ。
同じく、
「これを教育にどう
反映させますか?」
ということで、
教育勅語ができている
ということなのだ。
つまり、憲法も教育勅語も、
後の教科書でいう君臣
「徳義」論が前提なのだ。
そういうことを言うと、
すぐ
「いやいや、
さっきも出てきたよ」
ということを言われ
例えば、教育勅語で言うと
「『朕(ちん)
惟フニ(おもうに)
我カ(わが)皇祖皇宗』
とあるではないか。
皇祖というのは天照大神
(あまてらすおおみかみ)
のことでしょう?」
とみんなそう思い込んで
しまうわけなのだ。
事実、最近の解説書でも、
例えば
「我カ(わが)
皇祖皇宗國ヲ(くにを)
肇ムルコト(はじむること)
宏遠ニ(こうえんに)」
というこの皇祖は
「天皇の始祖である
天照大神
(あまてらすおおみかみ)」
という解説が書かれている
から、みんなそう思って
しまうのだ。
けれども、実は違うのだ。
違うということを示す
資料があるのだ。
それはどういう資料から
分かるかというと、この
教育勅語が出た直後に、
明治政府はその解説書を
作ろうとして、その解説書
を東大教授の井上哲次郎
という人に頼み、その方が
原案を書くわけなのだ。
その原案では、
「皇祖は天照大神
(あまてらすおおみかみ)、
皇宗は神武天皇」
と書いてあったのだ。
その原案を受け取った
井上毅(こわし)が、
「いや、違います。
皇祖は神武天皇、皇宗は
歴代天皇である」
とそれを直すのだ。
その時に井上毅(こわし)は、
「肇国(ちょうこく)ノ
基礎ヲ叙ルニハ(のぶるには)、
皇祖トハ神武天皇ヲ称ヘ
(となえ)、皇宗トハ
歴代ノ帝王ヲ称へ(となえ)
奉ルモノニシテ、
解セザルベカラズ」
と書いてあるのだ。
肇国(ちょうこく)
というのは建国のこと
なのだ。
「『朕(ちん)
惟フニ(おもうに)皇祖皇宗』
『国を始めること宏遠に』
と書いてあるでしょう?
われわれは建国から解いて
いるのだ。
建国したのは誰ですか?
神武天皇ですよね」
というふうに説明している
のだ。
井上毅(こわし)は
明確に神武天皇を意識
しているのだ。
だから、実は天照大神
(あまてらすおおみかみ)
ではないということなのだ
この構造を近代的な
憲法の知識で表現すると
帝国憲法になるわけなのだ。
「第一条 大日本帝国ハ
万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」、
天皇中心ということ
なのだ。
そして
「第四条 天皇ハ国ノ
元首ニシテ統治権総攬シ
此ノ憲法ノ条規ニ依リテ
之ヲ行フ」、
つまり、
「すべての統治権は持って
いるけれども、憲法の条項
によってこれを行う。
権限は持っているけれど、
使う時は憲法に従って
行使なければいけない」
ということなのだ。
では、どういうふうに
するのか?
これは近代憲法の
三権分立に従っている
のだ。
「第五条 天皇ハ帝国議会
ノ協贊ヲ以テ立法権ヲ行フ」
とあるのだ。
つまり、立法権は帝国議会、
臣民が同意しなければ法律
は作れないということなのだ。
「第五十五条 国務各大臣
ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責ニ任ス
凡テ法律勅令其ノ他国務ニ
関ル詔勅ハ国務大臣ノ副署
ヲ要ス」
とあるのだ。
法律に従って行政を行う
時は、今度は大臣と一緒
にやらなければいけない
のだ。
大臣が同意しないものは、
天皇といえども行えない
ということなのだ。
大臣が同意していること
を証明するために、
「天皇の名前の横に必ず
担当大臣の名前がなければ
いけません」ということに
なっていたのだ。
司法はもっと徹底していて
司法は天皇の名において
裁判所が行うわけなのだ。
基本的に裁判所は
行うわけだから、天皇は
名だけなのだ。
だから、裁判所のいちいち
の判断に対して、天皇は
「それは違う」
「それはダメだ」などと
いえないわけなのだ。
要するに、これが天皇と
国民の協力によって
つくりあげてきた
この国の明治における
表現なのだ。
それが明治憲法の
大原則なのだ。
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる

