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的中したんじゃ

どうも村田です

支那事変が起きた直後、

石原莞爾(かんじ)は

近衛首相に対して、

南京に乗り込んで

直接蒋介石と会談

するよう進言したのだ。

「この紛争を即刻

消し止めるためには、

両国首脳同士のトップ

会談によろしくない。

そのためには日本は

思い切った条件を

提示すべきである」。

石原莞爾(かんじ)

が考えたその条件と

いうのは、次のような

ものなのだ。

「日本は、華北を

はじめとする中国全土

から撤退する。

治外法権をはじめと

する一切の権益を中国

に返還する。

さらに、また中国が

列強から権益を回復

する運動にも日本は

全面的に協力する。

中国はその見返りに

満州国を正式に承認する」、

これが石原の考えた

条件なのだ。

これはまさにまさに

石原でなければ考え

つかないような斬新な、

思い切った発想なのだ。

もしもこれを実行すれば、

当時中国に進出していた

日本の民間企業は大きな

損失を受けるが

「それによって生じる

損害なんて、こんな

ものは国の税金で全部

補償していればいい。

もしも中国と戦争に

なったときに想定される

莫大(ばくだい)な

軍事費と比べたらば、

そんなものは取るに

足らない微々たるもので、

はるかに安上がりで済む」

と、石原莞爾(かんじ)

はこの首脳会談に

すべてを賭け、

「自分も近衛文麿に

同行して南京に行く」

と申し出たのだ。

日本側のこれだけ

思い切った譲歩であれば、

蒋介石にとっても

願ったりかなったり

なのだ。

蒋介石がこれを拒否

することはまず

あり得ないのだ。

蒋介石にとって、中国の

本土というのは万里の

長城から南であって、

満州は本来の中国とは

無縁の化外の地なのだ。

「これまでは西安事件

などの行きがかりや

メンツもあって、

満州国の正式な承認が

渋ってきたけれども、

万里の長城から南側を

完全に確保することが

できるとなれば、

満州国なんて喜んで

正式に承認して日本に

くれてやろう」と、

近衛文麿はこの石原案に

大いに乗り気になって

南京行きを決意し、

飛行機まで用意していた

のだ。

しかし、直前に心なき

にして蒋介石との首脳

会談を取り消してしま

ったのだ。

これは事変の拡大を

もくろんでいる一部の

軍部の反対を抑える

自信がなくて、

彼らから攻撃される

ことを恐れたのだろう。

ここに近衛文麿という

人物の、ある種の

性格的な弱さのような

ものを見るのだ。

「いざ、ここ一番」

という重大な土壇場に

なってくると、

矢面に立つのを恐れて

逃げ出してしまう、

これは政治家としての

彼の致命的な欠陥

なのだ。

近衛の優柔不断は、

その後もいかんなく

発揮され、

国家の命運を左右する

ような重大な局面で

責任を投げ出して、

日本の運命を誤らせる

ことになったのだ。

この時の石原案こそが、

事変初頭、まだ火種が

大きくならないうちに

消し止める

最後のチャンスだった

のだが、その後、

事変が拡大していって、

双方とも犠牲が大きく

なるにつれて、

講和の条件はますます

難しくなり、和平は

遠のいていったのだ。

近衛首相が蒋介石との

間に予定していた

トップ会談を取り消した

と聞いて、

石原は激怒して、

「2,000年にも及ぶ

皇運を辱め、このような

危機に及んで

優柔不断であれば、

日本を滅ぼすものは

近衛だ」

と叫んだと言われて

いるのだ。

支那事変は早期に解決

するどころか、出口の

ない迷路に入り込んで

しまったのだ。

ナポレオンの戦死を研究

した石原は、フランスが

スペインでの戦争に

深入りしていって、

国民的な規模のゲリラ戦

に直面した結果、これが

ナポレオンの没落を早める

結果になったことに注目し、

「支那事変は下手を

すればナポレオン戦争

の二の舞いになる」

と指摘したのだ。

「これは大日本帝国の

崩壊につながるかも

しれない」と、

石原莞爾(かんじ)は

早い段階からこのように

警鐘を鳴らしていたのだが、

不幸にして彼の予感は

的中することになったのだ

石原莞爾(かんじ)

自身は、支那事変の

発生当初から

即時停戦のため奔走

しているのに、もはや

部下たちが石原の

命令を聞かなくなって

しまっていたのだ。

続きは次回だ

今日はこのくらいにしといたる

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