どうも村田です
赤穂浪士の
大石内蔵助は48名の
隊員を指揮したわけで、
そうすると大体2個小隊を
指揮できるような統率力を
身に付けていたということで、
彼は赤穂藩の家老であって
相当ご苦労されていて、
自分たちの父親もそこの
家老職をやっていたから、
やはり代々そういうことを
身に付けてきたということ
なのだ。
従って、大石内蔵助にして
約50 名近くの指揮ができて、
統率力が優れていないと何かと
いったらバラバラになるのだ。
バラバラになったらどうなるか
というと、秘密が漏れてしまう
わけなのだ。
そうすると、赤穂浪士
なんかはもう1年間かけて準備
しているわけだが、秘密が
漏れたらもう極端に言ったら
吉良上野介の屋敷に入った
途端に政府軍が待っていて
バタンとやられたら、
飛んで火に入る夏の虫なわけ
なのだ。
絶対に秘密を守らなければい
けないので、そのためには彼ら
を1つにまとめていく力、
これが統率力で、そして命を
落とすかもしれないという
戦場だから、全員を1つの方向へ
向けるというのは大変な統率力が
必要なのだ。
だから三島先生の場合も、
もう3~4年、自衛隊であらゆる
ことを体験してきているわけなのだ
だから、少なくとも私たちが
まだ自衛隊に入って2~3年の
若い陸士隊員と同じぐらいの
能力はとっくに身に付けていた
と私は思うのだ。
彼に見合った統率力、その規模
というのがぴたりと合っている
のではないかと私は思ったのだ
それで三島先生も、指揮能力と
統率力が中隊クラスの能力が
備わっていると、
楯の会 100 名を動かせたかも
しれないのだ。
しかし、今も言ったように
分隊クラスの指揮能力と統率能力
であれば大失敗するわけなのだ。
だから彼がもしやろうとすれば、
100人の会員さんがいるのだから
100人を動かすことも可能なわけ
なのだ。
「『何かが』
剥ぎ取るやうに、私を促して、
暖炉のかたはらから私を拉し去る。」
と、拉致し連れ去ったと
言っているわけなのだ。
「そこに不本意やためらひが
なくて、世界の果てから来た
迎へに喜び勇んで、私が出発する」
というわけだから、よほど先生は
何かを感じたわけなのだ。
この若造が、まだ知り合って
2~3週間しか経っていない者に
対して、
「この何かとは、難しい言葉で
言うならば統率力であろう。
私の能力の中に三島先生の心を
つき動かすような統率力があった
とすれば…。
これが三島先生に一つの発見を
もたらし、彼の最終行動の成功への
参考になったとしたならば、
私が三島由紀夫先生の副官として
一つの成果を得たと思えてとても
うれしい」
というのが、この本を読んでの
私の感想なのだ。
「あの最後の行動を30人、いや
100人規模でやっていたら、惨めな
結果になっていたであろうことは、
誰の目にも解るはず。」なのだ。
ということで、自分の能力というか、
そういうものが三島先生に影響を
与えているということを全く
知らなかったから、この本を見て
驚いたのだ。
私は、
「もう本当に失礼なことをした」
とずっと思っていたので、まさか
こういうふうに解釈してくれている
とは全く思っていないし、
それも上司の岩田一尉にも一言も
言っていないし、同僚、教官、
助教員の皆さんにも何も言わないで、
ただ三島先生を驚かせようと、
予想外なことが大好きな先生だから
「よし一発ここで」
と思って印象教育をしようと思って
やった結果が、三島先生がこういう
ふうに
『太陽と鉄』
の中にお書きになっているという
ことだから、少しは先生のために
なったのかなと思いながら、
今天国にいる三島先生に思いを
はせているわけなのだ。
つづきは次回だ
今日はこのくらいにしといたる