どうも村田です
ちょうど徳川幕府が
できるころなのだ
オランダとスペインの
海上戦の真っ最中で
あったマニラに、
1艘のご朱印船が到着
したのだ
すると戦闘が一時中止され、
日本の中立船はその間を
悠然と搬送していった
という記述があるのだ
何なのだろう面白いのだ
非武装船の堂々たる不可侵性、
侵されざる姿にわが国の
250年に及ぶ、
人呼んで鎖国という事態の
優位とうかつさ、合理性と
手抜かり、
その両面の矛盾がさながら
象徴されていたかに見えるのだ
鎖国というのはプラスマイナス
を簡単に言えない、両面がある
と常に思っているのだ
しかし、宿命もあると
思っているのだ
その宿命を打ち破って
ほしかったという思いも
あるけれど、
打ち破れなかっただろうな
という思いもあるのだ
引用を続けるのだ
ごくまれに、ほぼ例外なく
オランダの船であるが、
ヨーロッパの船が朱印船を
攻撃、
または略奪すると、乗っていた
日本人は決して自分でこれを
阻止しようとはせず、
長崎に戻ってことの顛末を
行政官に報告したのだ
報告が来れば、長崎にあった
オランダ商品とオランダ船は
全部差し押さえられ、
嫌疑について調査が行われ、
賠償が申し渡され、罰が
執行されたのだ。
朱印船は重装備を固めては
いなかったけれど、極めて
有効な法的救済措置で保護
されていたのだ
利益の大きい日本との交易に
参加したいと思えば、将軍の
パスポート、
すなわち赤い印税のついた
朱印状を持っていなければ
いけないし、
それを神聖不可侵のもの
として尊重せざるを
得なかったのだ
ムガル皇帝や日本の将軍家は、
海上を支配しようとする
露骨な意図を持たなかった
ということが、
ジェフリ・パーカーの
『ヨーロッパ軍事革命の
衝撃1500~1800 年』に
書いてあるのだ
これは薄い本だが、この
日本語の訳書の題名は
『長篠合戦の世界史』
なのだ
これを訳した人は優秀な
人で大久保圭子さんという
人で、会ったことはないのだが、
書いて出している本の仕事は
すばらしいのだ
これを読んだときに不思議な
気がして、ムガル皇帝に対して
腹が立ったのだが、
日本の将軍家は何を考えて
いたのだろうと思ったのだ
これを北太平洋の問題と
結び付けて考えたときに、
直感して分かるところが
あったのだ
たまにはヨーロッパの船に
勝負を仕掛けていく国も
あったのだ
例えば、マラッカ海峡に
横たわっているジャワ島、
今のインドネシアにアチェ
という王国があったのだ
アチェ王国というのは、
歴史を勉強してやっと
知った名前だが、
密林の中の戦士で非常に
戦闘的な民族で、勇猛果敢
な種族であるけれど、
この民族との戦いに狂奔
したためにオランダは
歴史からずり落ちて
しまったのだ
オランダが歴史から
落っこちてしまった理由は
たくさんあるのだが、
少し時代を下って19世紀に
この勇猛果敢な密林の王者と
長い戦争をせざるを
得なかったのだ
そして、それを仕組んだ
のはイギリスなのだ
イギリスはうまいこと
インドネシアをオランダに
押し付けてしまうのだ
そのために、オランダは
現地に支配されてしまうのだ
イギリスはずるい新米で
そして、イギリスはするりと
すり抜けて、オランダに
インドネシア辺りを任せる
代わりに、
自分はシンガポールから
中国に入っていってしまうのだ
そして、日本が日露戦争に
勝利を治めるような時代に
なってもなお、
オランダはアチェ族に
手足を取られるような
戦争に打ち込まれて、
それでオランダは国力を
ズルズルと落として
しまったのだ
日本が愚かなのは、一時期
そのオランダを頼りにした
ということなのだ
後でその問題はでてくるのだ
そのアチェ族が絶対に
黙っていないから、
もちろんヨーロッパの船に
戦争を仕掛けたのだ。
それからもう1つは、
『国性爺合戦
(こくせんやかっせん)』
を知らないかもしれないが、
鄭成功という人がいるのだ
鄭成功は歴史の知識のうえで
知っていないといけないのだ
近松門左衛門の人形浄瑠璃に
出てきて、歌舞伎にも
なっているのは
海賊王鄭成功で、海賊の王様
だが、日本人を母とする
台湾人で、平戸で育ったのだ
17世紀中ごろ、その戦力は
軍艦1,000隻、兵力10万庸を
数えるというからものすごい
大船団なのだ
そしてオランダを台湾から
追い払いそこに入るのだ
鄭成功はしばらく台湾を
支配したのだ
そういっている間に
徳川幕府は国を閉ざす
政策に踏み切ったのだ
これが1635年でいわゆる
鎖国政策なのだ
翌年長崎の出島が完成して、
ほどなく平戸を閉鎖して
しまうのだ
そして、オランダとだけ
正式に交易をする
ということが決定するのだ
これは知っての通りなのだ
なぜ日本が急に武装を解除し、
平和政策に転じたか
分からないのだ
これは世界史の謎で
今の憲法9条と同じように
謎なのだ
もちろん世界の他の地域が
平和で安定した時代に入った
からではないのだ
むしろ反対で、ポルトガル、
スペインだけではなく
オランダ、イギリスが
どんどん出始めていたのだ
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる