どうも村田です
地球が丸いという
ことを教えてくれた
のは17世紀前半に
マテオ・リッチという
宣教師が持ち込んだ
1枚の
「坤輿(こんよ)世界地図」
というのか。
そういうものがあるのだ
この世界地図を持ち込んで、
大きい地図を作ってシナに
出したのだ
これは中国大陸が下にあって、
日本列島がその横にある
というアジア中心の地図
なのだ
そうしないでヨーロッパ
中心の絵を書くと中国の
知識人がぶつぶつ言う
ということで、
マテオ・リッチが中国の
顔を立てるような地図を
作って入れたのだ
それでも中国の知識人は
「とんでもない。中国人は
地球の領土の80%はシナ人
の世界である。
これを見ると3分の1か
4分の1しかないではないか。
こんなものはうそだ」
と言ったのだ。
この地図は日本に送られてきて、
江戸の日本人が大変に珍重して
「初めてこれによって地球が
丸いということを知った」
ということを非常に喜んだのだ
日本人は謙虚だから、外のもの
に学ぶことにおいてつつましい、
自分を無にするということを
知っているのだ
それがあったために
マテオ・リッチは
「はるか東邦の日本という
島国の人たちが自分の描いた
地図を喜んでくれた」
ということを言ったとして
そういう記録が残ってるのだ
我々は地球の他の地域に
多く見られるように自分と
他人が激しくぶつかり合う
価値観、そういうものを
あまり得意としないのだ
明確度の高い小才こそこの
激しくぶつかり合う多様性、
そういうものを求める必要が
あまりなかったのかもしれ
ないのだ。
だとしたら、それもやはり
縄文文化というものに関係が
あるだろう。
外から入ってくるものを
おうように摂取して、自分と
他人の間の区別をあまり明確に
しないまま黙って貯蔵する、
そして外にそれを出さない、
出して試したりもしない、
どんどんたまってくる、
蓄積する、正倉院の様相が
示してしているように
あちこちから入ってきたもの
がそのままなのだ
日本ほど多くのものが
残っている文明はないのだ
これは少しいろいろな歴史を
調べてみると分かるのだが、
神話が残っている、
ギリシャ神話と似ている、
これだけ完成度の高い神話が
残っている地域は地球上に
ないのだ
「ゲルマン神話」
なんて言うけど何もないのだ
ドイツは全部キリスト教が
した時に神話を捨ててしまった
から、記録もないのだ
文字に残っていないのだ
何を言いたいかというと、
今までの
「ニーベルングの指環」
とか何とかという
あんな物語はどこから来た
のかというと、
イスランディックという
アイスランドの神話、
イスランディック・サガ、
アイスランド・サガという
のがあって、
そのアイスランド・サガに
ゲルマンの話が書いてある
ので、間接情報なのだ
至るところ、世界の神話の
学なんてそんなものなのだ
だから、日本に残っている
ということを信用しないのだ
信じないのだ
最近は分かってきているが、
レヴィ=ストロースなんかが
「日本に神話が残っている
ことは大変すごいことだ」
ということを言ってるのだ
神話だけではなくて、
江戸時代に入ってシナの
漢籍の論語の研究なんかが
進んだ時に荻生徂徠の弟子が
康熙皇帝の息子の乾隆帝の
『四庫全書』という、
要するに文庫なのだ
学問文庫のようなものだが、
その著作の中に徂徠の弟子が
もちろん漢字、漢文で書かれた
研究が収録されて、
東邦の島国の儒学の研究が
いかに進んでいるかに
びっくりし、
しかも驚いたのはシナでは
とうの昔に失われてしまった
文献が使われていたのだ。
もうそれは1,000年ぐらい前の
平安の末期なんかに入って
きた文献が江戸時代で使われて、
論証されて新しい解釈に
なっているのだ
詳しいことは知らないけど、
徂徠の弟子
それが清朝の学者たちをして
驚嘆たらしめたわけなのだ
そんな例がいくつもあるのだ
つまり日本の古代に入ってきた、
古代そのままの文献が日本では
保存されていて、
それが図書館に眠っていて、
そしてそれを江戸時代の
学者が受容したということなのだ
その一部が今の日本でも
あちこちにそういうものが
たくさん保存されているのだ
過去のものを大事にする
という点で日本人は
そういうことがあるのだ
しかし、シナでは何でも
かんでもぶち壊してしまう
のだ
文化大革命以来だが、
1つの王朝が「易姓革命」
と言って倒れると
その王朝が持っていた茶碗に
書いてある名前まで憎らしい
のでぶち壊してしまうのだ
そして仏像、仏教が入って
きても仏教を駆逐したのは
知っての通りだが、
仏像がとことん破壊されて
いてマツオ何とかさん
という方が『国民の歴史』を
書いた時に利用したのだ
松原三郎の
『中国仏教彫刻史論』
史というのは歴史の史なのだ
『中国仏教彫刻史論 全4冊』、
吉川弘文館で大写真集なのだ
それを見たら、その写真集は
破壊から免れた仏の肖像を
写真に集めて苦労して、
この人がシナ全土を歩いて
写真集を出したのだ。
日本人はそういう篤実な
人がいるのだ
一生をかけてやった仕事
なのだ
1人で40年かけて集めた
破壊から免れたものなのだ
破壊した方がおかしいのだ
「日本は中国に比べ、
はるかに多く古いものが
保存され、守られてきている
国である。しかも、外国の
古いものをも尊重する
国民性を持つ」
ということで実例として
書いてあるのだ。
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる