どうも村田です
『すばらしい新世界』
『1984年』は、ともに
イギリス人の書いたもの
だが比較して読むと非常に
おもしろいんじゃないか
というふうに思うのだ
ジョージ・オーウェルは、
いかにもイギリス人らしき
すてきなエッセーも書いて
いるのだ
『一杯のおいしい紅茶』、
こういうエッセー集も出て
いるし、それから前、
自伝的な話になったけど、
『パリ・ロンドン放浪記』、
パリ、ロンドンで貧乏した
ときの自分の記録というか、
思いをつづった本も出て
いるのだ
それからコミック本では
『1984年』の漫画本は
PHP研究所から出てるのだ
『1984年』、最後は
ウィンストン・スミスが
拷問を受けるところで
終わるのだ
そしてもって人間性が
すっかり変わってしまう
というところで終わる、
暗い話なのだが、漫画本も
出ているのだ
ジョージ・オーウェルは
自由人で、そして非常に
貧しい者、弱い者に対して
シンパシーのある自由人で
あったと思うのだ
今、彼が生きていて、今の
中華人民共和国の現状、
現実を見たら何と言っただろう。
そして、今、彼らだったら、
さらにどういう小説を書くのか
というふうに想像力が働き
いずれにしろ、あまりに
こういった暗い
アンチユートピア小説、
ディストピア小説に書かれた
未来があまりに現実味を持って、
われわれに迫ってきてる
現実がこういった小説に
近づいてきてしまう
逆に言えばこの2人の著者は
恐ろしい洞察力があった
遠くを見る能力があった
人たちだなということも
言えるのだ
そしてどうやったら
こういう社会にならないで
済むのかということを
われわれはつくづく
考えなきゃいけない
そこで文明論と未来学で
書いた、自由と隷属という
ことを、
安定という道を選んだ途端に、
与えられる安定というものを
求めた途端に、
自己奴隷化の道が開けてしまう
不安定というものに耐え
ながらも、われわれは自由と
いうものを求めていかなきゃ
いけないのだ
これが大事だと思うのだ
自由と安定、両方あればいいが、
人生というのはそういうわけに
いかないのだ
人間の社会というのは
そういうわけにいかないのだ
そこのところがとりあえずの
結論なのだ
ジョージ・オーウェルの
『1984年』を軸に据えて、
われわれが今、どういう
歴史のフェーズに
いるのか、
そしてこれからどういう方向で
われわれ考え、行動しなければ
いけないのかという
多くのヒントをつかめたと
思うのだ。
併せて『すばらしい新世界』、
ハクスリーの小説も参考に
なったと思うのだ
で、これは、われわれの
目の前で起こっていることを
批判するときに、
事実はこうだよと言って
議論するのが普通だが、
時にはフィクション、
あるいは『動物農場』は寓話、
のいうようなかたち、虚構だが
それによる物語という手段を
用いたほうが、
強烈に現状の批判ができる
という場合があるのだ。
それで、現実には目が慣れて
しまっていたりするので
思い切って違った
シチュエーション、
未来の社会とか、『動物農場』
みたいに動物と話したよと。
まあ、イソップ寓話のような、
そういうところで話が展開
されると、
視野が転換できると。そして、
あれ?と考えてみたら、
それが現実に対する最も
鋭い批判になってく、
そういう表現手段が大いに
有効なこともあると
思うのだ
考え直してみると、『動物農場』、
そうだ。ソ連、スターリン主義
の批判が出てる。
で、ジョージ・オーウェルが
何でこういう表現手段を取ったか
というと、自分が実際に
スペイン内乱も参戦したと、
義勇兵として
そして、たまたまスペイン
共和政を救えと、共和国を
救えという側だったけど、
反ソ連の側に立った。
それによってソ連がどんな
ひどいことをしてるか
よくわかったと
自分は民主政治を救おうと
思って行ったけれど、実は
民主政治をたたきつぶす側に、
スターリンのソ連は属して
いたわけなのだ
その点においては、
フランコの全体主義と、
スターリンの全体主義
というのは、
ジョージ・オーウェル的
視点からは大差がないものと
見えたんだと思うのだ
そして、実際、ソ連邦の
中で行われたひどい
スターリンによる粛清
個人崇拝を確立し、
そのために自分の政敵を、
偽の裁判をでっち上げ、
偽の犯罪をでっち上げ、
次々に抹殺していく
その事実が上がってるのに、
事実を一生懸命説明して
るのに、同じ同国人の
イギリス人がそれを
信じてくれない
いったいどうなってるんだ
俺は体験的にも知ってるし、
事実、これだけのものが
出てきてるじゃないか記録が
それなのに何で、ソ連の
社会主義は正義なんだ?
正しいんだ?
それを批判することは
よくないんだという
イデオロギーが先行して
しまってるのか。
この『動物農場』なんかを
書いた彼の心というのは、
これは事実を並べて説得
しようとしても、
みんな振り向いてくれない。
で、思い切ってこういう
フィクションの世界で
書いてみようというふうに、
彼は思い立ったんじゃないか
と思うのだ
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる