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フリーラブなんじゃ

どうも村田です

今日からはオーウェルの

『1984年』と一対で論じ

られることが多い

オルダス・ハクスリーの

『すばらしい新世界』

というタイトルで翻訳

されてる

『Brave New World』と

いうやつなのだ

これは『1984年』と違った

タイプのディストピアなのだ

一見こちらのほうが

ユートピアなのだ

『1984年』はディストピア

であることは、人間が

生きにくい社会であることは

すぐ読めばわかるのだが、

この『すばらしい新世界』

まさに結構すばらしいのだ

人間のあらゆる欲望が充足

されてしまう世界なのだ

だから、一見いいんじゃない?

と思うのかもしれないが、

それが実はごく少数の人たちが

世界を10人ぐらいの人たちが、

最高統制官という人たちが、

その人たちの計画どおりに

安定第一、安定第一

ですべてをコントロール

していくという社会なのだ

それは子どもが生まれたとき

から、生まれる前から胎児の

ときから、どういう人間と

どういう人間の精子と卵子を

組み合わせて、

そしてどういう子どもを作る

かというところから完全に

コントロールしていく

しかも一定のなるべく人間の

タイプが一緒のほうが

コントロールしやすいから、

本来1人しか生まれない

精子と卵子が組み合わさって、

1人の子どもが生まれるところ、

分裂させて、何十人もあるいは

究極的には何万人もの同じ

遺伝子の人間を作っていくという

そういう社会がここで描かれて

いるのだ

だから、この社会に住んでる、

『Brave New World』に住んでる

人たちの欲求は100%満たされて

いるわけなのだ

そしてごく一部の人たちが

それをコントロールしてるのだ

昔、非常に気持ち悪い小説を

読んだ記憶があるのだ

月刊少年雑誌か何かの読み物で

出てたと思うのだが

それはある意味で

『Brave New World』のような、

もっとキモい世界なのだが、

SF的な話で、未来の社会がどう

なってるかと、人間の脳髄だけが、

ガラスの管というか、脳髄だけが

取られて、

人口培養液の中でずっと

培養されるかたちで人間が

全部生きてるっていうわけなのだ

これもまた欲求100%満た

されてる社会

その脳に対してあらゆる

楽しい現実を味あわせて

夢を見せてるわけなのだ

現実はないのだが、人間は

所詮脳でものを体験するのだ

そうするとその脳にあらゆる

快感のある刺激を送って、

そしてその人たちは、

自分たちが脳としてしか

生きてないことを知らないで、

自分たちは現実に生きてると

思ってるのだ

しかしその人たちは非常に

幸せな生活をして、そういう

疑似体験をしながら一生を

送っていくのだ

要するに人間の脳髄だけ

取り出して、その脳髄に

正しい刺激、神経の刺激さえ

与えれば仮想現実そのもの

なのだ

バーチャルリアリティ

なのだ

だけど自覚的にはその脳の

持ち主にとっては100%満足

の社会、気持ち悪いが、

そういう小説を読んだ

ことがあるのだが、そういう

社会、これは脳髄だけじゃなく

実際の生身の人間が生きて

いるのだがこれは昭和7年

に書かれた本なのだ

オルダス・ハクスリーという

人が書いた本なのだが、

イギリス人なのだ

だから『1984年』は1949年に

書かれた本だが、それよりも

12年前になるのだ

恐ろしい未来SF、ディストピア

小説で1932年だから昭和7年に

なるのだ

今から見れば遺伝子工学的な

全体主義福祉国家なのだ

そして階級は

アルファ、ベータ、ガンマ、

イプシロンと四つぐらいに

階級に分かれて

イプシロン階級は普通の

アルファベットで言えば

A、B、C、D階級なのだ

一番下の階級は肉体労働だけ

そうすると生まれる前から、

肉体労働だけする人たちに

とっては、優れた知能は

必要ないのだ

だから、試験管ベイビーで

全部育てられるから、胎児

のときから知能が発達しない

ように育てられるわけなのだ

例えば脳細胞が発達して

分裂していくときに酸素を

与えないとか

そうすることによって

脳細胞が発達しない

ようにする、そういう

ふうにして下層階級は

作っていくのだ

そして初めから例えば

自然が好きにならない

ようにするとか

自然が好きにならないような

刺激を与える

そして子どもの頃から、

そういう条件反射を繰り返し

与えていく

例えば花とか見たら、

そのあと電気刺激を与えて

痛いとか、嫌だとか

そうなると花とか緑とか

嫌いになる

自然なんか愛しても、それは

何のプラスにも労働者階級の

場合はならない

そういうことなのだ

そのように、遺伝子工学的に

妊娠の前の時点から人間を

コントロールし、

そしてその欲求を100%満足

させるような社会を作る

2番目には面白いのだが、

セックスとかその他の欲求に

関して、1984年と逆の世界

なのだ

『1984年』は食い物も足りない、

楽しみも足りない、そして人間

にとって満足させる欲求と

いうのは権力欲だけだという

社会を作る

性的にも満足させない、

セックスというのは子どもを

作るためだけにやるという

世界だったが

『Brave New World』では

セックスとそれから生殖は

全く別なのだ

生殖は、全体主義的に

計画的にコントロールして

行われるわけなのだ

そしてセックスのほうは

これは快楽のために行うので、

いわゆる日本人が言うと

フリーセックスなのだ。

英語で言うとフリーラブ

なのだ

続きは次回だ

今日はこのくらいにしといたる

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