どうも村田です
ハルノートの続きじゃ
ハリー・デクスター・ホワイト
「ホワイトは戦後になって、
ようやくスパイ容疑で
ワシントン下院非米活動
委員会の喚問を受けた」
「1948 年8月13 日。そして
その3日後に強心薬ジギタリス
の過剰摂取で死亡」
ということなのだ
殺されたのかあるいは自殺なのか、
追い込まれて自殺というパターン
もあるのだろうけれど、殺された
という説もあるのだ
あるとすれば、要するに
ソ連に口を封じられた
可能性としては当然あるのだ
殺された可能性が高いとは思う
けれど、もう一方で非常に
プライドの高い男だったから、
彼が戦後体制の根幹になる
IMF、それから世界銀行を
ケインズとともに作り上げた
ほどの男だから、
スパイ容疑をかけられたこと
によって、非常に精神的な
ダメージというのか、それを
感じて自殺したということ
も当然考えられるのだ
そこはまだクエスチョンマーク
なのだ
ブレトンウッズ体制を作るのに、
ホワイト案、ケインズ案などと
有名な話もあるのだ
戦後体制、我々はまだある
意味でブレトンウッズ体制の
中にいるとも言えるとも思う
のだ
ルーズヴェルト大統領は
それほど頭のいい大統領
ではないのだが
結果論としてはすごいのだ
イギリス帝国のベースが
金融帝国なのだ
その金融の中でやはり金保有を
持っている国がそれをベースに
して基軸通貨になれば、その国が
金保有以上の通貨を発行できる
わけなのだ
いわゆる通貨発行益なのだ
その通貨発行益を国内だけで
普通は得るのだが、それが
国際通貨になれば世界に通用
する通貨を発行できるのだ
そうすると、通貨発行益の
メリットというのを最大限享受
できる国というのは、やはり世界
基軸通貨を持った国になりうるから、
このブレトンウッズ体制
というのはドルを基軸通貨
にするということになるのだ
当時、金の保有というのは
世界の7割から8割の金が
アメリカに集中していたわけ
だから、それをベースにして
fiat money(フィアット・マネー)、
つまり保有金以上のドルを発行
できるのだ
だから、それがアメリカ国民の
戦後の国益に非常に役に立った
ということは間違いないわけ
なのだ
fiat money(フィアット・マネー)
というのは法定通貨というか、
要するに金銀は実物通貨だが、
そうではなく法令に基づいて
発行して、紙切れでも何でもいい
のだが、今は単なる電子信号
でもいいわけなのだ
国家の保証があるということ
なのだ
なかなか一般の方には分かり
にくいのだが、通貨は当時1オンス
35ドルで買えるので
「保有金以上の通貨は
発行できないでしょう」
と一般には思うのだが、実は
歴史的な経緯があり、実際に
金に換えることを求めるのは、
当初は大体25%くらいだったのだ
それに気付いたのがユダヤ系の
銀行家なのだが、そうすると
実際に25%だけ金を持っていれば、
それ以上発行しても
要するに25%しか換えてくれ
とは言ってこないのだから
別の言い方をすると、
持っている金の4倍通貨を
発行できるのだ
それがだんだんと8%まで
落ちてきたわけなのだ
8%といえば、ほぼ10倍なのだ
要するに持っている金の10倍の
fiat money(フィアット・マネー)
を出しても、世の中は回る
ということなのだ
だから、その通貨が世界に
通用するようにすれば、
ものすごい見えない利益を
持てる国になるのだ
通貨発行益
Seigniorage(シニョレッジ)
というものなのだ
少し話が変わるが、20世紀に
第一次大戦と第二次大戦が
あったというのは、非常に
マクロ的に見ると第一大戦の
前の世界ナンバー1の
覇権国家はイギリスなのだ
そしてイギリスポンドというのが、
基軸通貨だったのだ
2回の大戦が終わってみたら、
ドルが世界の基軸通貨になり、
アメリカが世界の覇権国家に
なっていたのは、結果として
その通りなのだ
2回の戦争を通じて、
イギリスから覇権国家の地位を
アメリカが奪ったと、
結果としては、そうとも言えるのだ
それが
「英米関係ぐらい複雑で、
親しいと同時に近親憎悪的な
もので、謀略をお互いにかけ合う
関係はないのではないですか」
という話なのだ
ハリー・デクスター・ホワイト
は、ドルを基軸通貨にした貢献
はしたとは言えるのだ
だからこそ、
1つの釈明史観が蔓延する
原因になるのだが、
結果論としてアメリカを金融面で
世界の大国にした彼は貢献
しているわけなのだ
アメリカから見れば功労者
であるわけだから、別に非難する
必要もないのかという思惑が
湧いてくるのは当然だと思うのだ
そういう意味で、その手の
同情もあるということなのだ
しかし、この
ハリー・デクスター・ホワイト
がソ連中枢部の司令を受け、
その意図に従い行動し、
あるいは情報も流していた、
これは確かで、そこまでは
確定しているのだ
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる