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国際的レベルだったんじゃ

どうも村田です

江戸幕府はヒトの移動に

ついては制限をしていたのだ

何しろ、大名の奥方は江戸

から出ることができなかった

のだ

さらに、鉄砲などのモノは

江戸に入れない

(いわゆる「入り鉄砲に出女」)

と、今風に言えば「規制」は

あったわけだが、

制限に引っ掛からないモノや

ヒトが大いに日本国内の

「藩境」を越えて動き回ったのだ

さて、都市の人口と言えば、

当時の江戸は百万人都市

だったといわれるのだ

その可能性はゼロというわけ

ではないのだが、何しろ

参勤交代で頻繁に人が

行き交うため、正確な統計は

わからないというのが

現実のところなのだ

歴史家のターシャス・

チャンドラーが1987年に

推計値を公表しているが、

当時の主要都市の人口は

1750年時点で、江戸の

人口は60万人から70万人と、

少なくとも世界有数の大都市

であったことは間違いないのだ

1850年代になると、

産業革命を経て工業化が

進んだロンドンやパリの

人口が伸び、正真正銘の

百万人都市へと成長

していったのだ

江戸時代は、新田開発で

米の生産量は増えたが、

元禄バブルの崩壊後、

徳川吉宗が享保の改革という

名の「緊縮財政」を実施

経済がデフレ化してしまい、

少子化が進んだのだ

結果的に、江戸期後半は

人口がそれほど伸びていないのだ

江戸をはじめとする都市部の

人口も頭打ちになったようなのだ

ちなみに、少子化が進んだ

以上、当然ながら江戸後期の

日本は高齢化していたのだ

当時も今も同じだが、

高齢化とは「悪しきこと」

なのだろうか

高齢化した江戸日本では、

歯が弱いお年寄りが増えたのだ

「噛む力」が弱い割に、

人数は増えていく高齢者

という「需要」を満たすため、

うどんや豆腐など、

噛み砕かなくても美味しく

食べることができる和食が

大発展したのだ

ところで、ニューヨークの

人口は凄いのだ

現在は「世界の中心」と

呼んでも過言ではない

ニューヨークだが、

1800年の人口は

わずか6万3千人なのだ

日本の小さな市町村並みの

人口しか住んでいなかったのだ

1850年には人口が64万人

を超えしたが、それでも

江戸より少ないのだ

改めて、アメリカが

「新興国家」であることが

わかるのだ

廻船航路に話を戻すが、

実は朱印船貿易の時代、

つまりは17世紀前半だが、

日本の航海術は国際的な

レベルにあったのだ

というよりも、航海術が

未発達では、東南アジアに

5000人もの日本人が

渡れるはずがないのだ

しかも、ただ渡航するのみ

ならず、日本人町を作り、

祖国との交易を続けたのだ

ところが、日本の航海技術は、

やはり鎖国下では発展が

制限されることになったのだ

何しろ、遠洋航海が「禁止」

なのだ

もっとも、江戸幕府は外国

との交易はオランダ、

中華帝国、朝鮮以外は禁止

したが、全国規模の航路網は

必要ということで、廻船の

整備は進めたのだ

日本列島を西回り、東回りで

周回する海上運送が発展し、

特に当時は経済の中心地が

大坂、京都であったため、

両都市に集積された物品が、

大消費地である江戸に

運ばれたのだ

ちなみに、当時から蝦夷地

(北海道)や琉球も

海運ネットワークに組み込まれ

ていたのだ

特に、蝦夷のコンブが

日本海ルートで琉球に移出され、

その後、清に輸出され、

漢方薬などと交換されるのだ

江戸後期、田沼意次の時代以降、

大量海上輸送能力の強化が

図られたのだ

何と、海図や磁石を利用した

沖乗り航法も実現していた

のだ

沖乗り航法とは、陸から離れ

ても、正しく目的地にたどり

着くための航海術だ

さらに、風上に向かって帆走

する技術も現実のものになるのだ

意外に知らない人が多いが、

帆船は風を「間切る」

(向かい風のときの帆船の走り方。

斜め前方から風を受けるように、

左右に交互に帆面を向けながら

ジグザグに前進すること)

ことで、風上にも帆走する

ことが可能なのだ

風上帆走は、当時の欧州では

当たり前だったのだが、日本

でも独自発展を遂げるのだ

なぜ、風上に帆走する技術が

発展したのかと言えば、

もちろん「必要だった」ため

なのだ

技術とは、需要無しでは

進化しない、また、方位磁石

と星座を使った夜間航行も

実現したのだ

実は、航海術という「技術」

について、日本は江戸後期

には欧州に追いつきつつ

あったのだ

続きは次回だ

今日はこのくらいにしといたる

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