どうも村田です
17世紀
ユーラシア大陸だが
ユーラシアの中央部
(中央部とはいえ、
大陸の過半を占めるのだが)
に四つの大帝国が存在
していたのだ
一つ目が大清帝国。
周囲の李氏朝鮮、チベット、
中央アジアなどは、中華帝国たる
清の属国であったのだ
二つ目がムガル帝国。
つまりは、インドで
ムガル帝国はインド半島の
全てを支配下に置いた
わけではないが
とはいえ、ムガル帝国の
直接的な支配下に置かれずとも、
周辺の諸王国はやはり帝国の
属国と化していたのだ
三つ目がロシア帝国
四つ目がオスマン帝国、
つまりはイスラム帝国
過去のユーラシアの歴史を
見ると、大モンゴル帝国の
瓦解後、ユーラシアには
常に中華系、インド系、ロシア系、
イスラム系の大帝国が存在したのだ
各帝国は、当然ながら
全て皇帝制なのだ
ユーラシアのほとんどの領域が
皇帝制の大帝国(及びその属国)
に支配され、東の端には日本
という封建制の国家があった
鎌倉時代から江戸時代まで、
日本は一貫して封建制度を
維持し続けたのだ
大帝国の西側には、
イギリス(イングランド)、
フランス、あるいはドイツ
(神聖ローマ帝国)といった
封建制の国々が存在したのだ
やがて、ユーラシアの両端で、
今風に言うと「先進民主主義国」
が育っていったのであるのだ
具体的には、議会制民主主義を
採用し、言論の自由、政治活動
の自由が保障されている
社会体制なのだ
逆に、皇帝制の大帝国には、
現代に至っても十分な言論の
自由や政治活動の自由が
ないのだ
言論の自由、政治の自由は、
民主主義の大前提なのだ
自由な言論無しで、民主主義が
成り立つはずがないのだ
民主主義は、候補が自由な
言論空間の下で論戦を戦わせ、
有権者の投票を競い合う
システムなのだ。
無論、現在の欧米諸国や
日本の「言論の自由」が
完全理想的と主張する
つもりはないが、それでも
旧「大帝国」の国々よりも
相対的にマシなのは確かなのだ
トルコ共和国は、民主主義国
であるとはいえ、
エルドアン大統領を見ると、
次第に「イスラム帝国」に
先祖返りしていっている
ように思えるのだ
2016年のクーデター
未遂事件(7月15日夜、軍の
一部が国会などを攻撃したが、
翌日には反乱は鎮圧されたのだ
戦闘では、兵士、警察官、
市民など約300人が死亡
したのだ
これを受け、トルコの
エルドアン政権は「黒幕」と
されるギュレン師の運動
(トルコにおいて、イスラム教
伝道者のフェトフッラー・
ギュレン(ギュレン師)を
精神的指導者とする社会運動
「ヒズメット」(奉仕の意味)
とも呼ばれ、教育に力を入れ、
優秀な学生を育成し、メディアや
銀行などを保有する)に
関わる公務員ら約16万人を
一時拘束、
さらに130ものメディア
を閉鎖したのだ
ギュレン運動のフェトフッラー・
ギュレン師は、元々は
エルドアン大統領と協力関係
にあったのだ
その後、政治対立が激化し、
ギュレン師はアメリカに逃げ
たのだ
クーデター未遂事件と
ギュレン師の関係は明らか
ではなく、さらに師本人が事件と
の関係を否定しているのだが、
エルドアン政権はアメリカに
引き渡しを要求したのだ
アメリカ側が拒否し、現在に
至る米土関係の悪化が始まったのだ
ギュレン師とクーデター軍との
関わりの真相は不明だが、
エルドアン大統領が
クーデター未遂事件を「好機」
と捉え、ギュレン運動を潰しに
かかった可能性は否定できないのだ
ともあれ、クーデター未遂が
あったからといって、特定の
政治グループのメディアを一斉に
閉鎖してしまうわけだから、
やはりトルコは先進民主主義国
ではなく、中国やロシアに
近い国家として見るべきなのだ
親日であるかどうかは、国家の
あり方と関係はないのだ
あるいは、トルコ以外の
中東諸国には、さらに言論の
自由がないのだ
サウジアラビア、イラク、
イラン、シリアといった国々が、
日米欧のような
「言論の自由が保障された
民主主義国家」になるかと
言えば、これは相当に難しいのだ
アラブの春以降、イスラム諸国の
独裁者が何人も倒れたが、
その後の各国に待ち受けていた
のは「混沌」に過ぎないのだ
ところで、インドは世界最大の
民主主義国家であるとはいえ、
インドの民主主義が「流血」
で染まっているのも確かなのだ
初代首相ネルーの娘であり、
インド第5代、8代首相を
務めたインディラ・ガンジーは、
1984年に2人のシーク教徒
の警護警官から銃撃を受け、
病院に搬送される途中で
死亡したのだ
その息子のラディーブ・ガンジー
(第9代首相を務めた)は、
91年に南インドのタミルナドゥ州
シュリペルンバッドールという町で、
まさに選挙活動中に自爆テロ
により暗殺されたのだ
暗殺の実行犯は、スリランカの
反政府組織LTTE
のメンバーで女性だったのだ
続きは次回だ
今日はこのくらいにしといたる